- 47 -
回答は、回収数(N)を基礎とした百分率(%)で示しましたが、クロス集計では各カテゴリの有効回答 数を基礎として百分率( %) で示しました。小数点第 2 位を四捨五入しているため、比率の合計が 100%に ならない場合があります。複数回答を求めた質問では、回答比率の合計が 100. 0%を超えています。回 答があっても、小数点第 2 位を四捨五入して 0. 1%に満たない場合は、表には「0. 0」と標記していま す。無回答は集計対象から外して比率計算をしています。
統計解析は χ 2 検定を用いて、両側検定で P<0. 05 を有意としました。
1 性別による分析結果
① 医療機関の受診状況では、男性と女性でそれぞれ、受診 331( 54. 2%) 、461( 55. 1%) 、受診なし 280( 45. 8%) 、376( 44. 9%) であり、性による有意差は認められませんでした。
② 現在、主に受診(通院・入院)している所は、男性と女性でそれぞれ、開業医 218( 63. 7%) 、 335( 71. 1%) 、病院 122( 35. 7%) 、132( 28. 0%) 、自宅等(訪問診療など)2( 0. 6) 、3( 0. 6) 、その他 1( 0. 2) と、男性が女性より病院の割合が高かったですが、有意な差はありませんでした。
③ 体調不調などでまずかかる医療機関は、男性と女性でそれぞれ、開業医 507( 81. 9%) 、735( 86. 6%) 、 島根大学附属病院・島根県立中央病院 60( 9. 7%) 、61( 7. 2%) 、それ以外の病院 39( 6. 3%) 、40( 4. 7%) で、男女で有意差はありませんでした。
④ 健康状態や病気のことで相談でき、決まって診察を受けるかかりつけ医については、男性と女 性はそれぞれ、かかりつけ医がいる 286( 46. 2%) 、414( 48. 8%) 、かかりつけ医といえる医師はいな いが、いつも受診する医療機関はほぼ決まっている 242( 39. 1%) 、353( 41. 6%) 、そのような医師・ 医療機関はない 82( 13. 2%) 、74( 8. 7%) で、男性が女性より有意にかかりつけ医の割合が低くなり ました。
⑤ かかりつけ医の必要性については、性別では男性と女性はそれぞれ、ぜひ必要 383( 63. 1%) 、 561( 66. 8%) 、やや必要 181( 29. 8%) 、238( 28. 3%) 、あまり必要ではない 36( 5. 9%) 、35( 4. 2%) 、必要 ない 7( 1. 2%) 、6( 0. 7%) で、性差は認められませんでした。
⑥ かかりつけ医を選ぶ上で重要なことを「重要、やや重要、あまり重要ではない、全く重要では ない」の 4 選択肢で回答してもらいました。かかりつけ医を選ぶ上で重要なことを「重要、やや 重要、あまり重要ではない、全く重要ではない」の 4 選択肢で回答してもらいました。重要なこ との割合は男性と女性でそれぞれ、「自宅から近い」357( 60. 0%) 、552( 68. 0%) 、「勤務先から近 い」96( 19. 0%) 、132( 19. 8%) 、「医師の診療技術や経験等が信頼できる」435( 74. 1%) 、662( 83. 3%) 、
「どんな病気のことでもまずは相談にのってもらえる 408( 68. 9%) 、630( 78. 8%) 、「病気や治療に ついてよく説明してもらえる」441( 74. 6%) 、589( 85. 8%) 、「健康づくりや病気の予防の相談に応 じてもらえる」270( 45. 8%) 、417( 53. 2%) 、「あなたの病歴や健康状態などをよく知っている」 388( 66. 1%) 、573( 71. 7%) 、「あなたのご家族の病歴や健康状態などをよく知っている」207( 35. 6%) 、 297( 38. 1%) 、「あなたの治療の意向や心情、価値観に配慮してもらえる」276( 46. 9%) 、489( 62. 2%) 、
第3 章 市民意識調査( アンケート ) 分析
- 48 -
「医師と普段から繋がりがある(友人、自治会、町内会、PTA、取引先等)75( 13. 1%) 、110( 14. 3%) 、
「必要な時にはいつでも病院へ紹介してもらえる 405( 69. 3%) 、628( 79. 1%) 、「入院した時には入 院中や退院後もサポートしてもらえる」297( 50. 9%) 、453( 58. 1%) 、「知人・友人などの評判が高 い」153( 26. 5%) 、275( 35. 4%) 、「外来に通えなくなった場合も定期的に医師が自宅に来て診察し てもらえる」236( 40. 8%) 、360( 46. 0%) 、「治療中の病状が急に悪化した時、時間外でも電話等で 相談に応じてもらえ、必要なら往診してもらえる」321( 55. 2%) 、479( 60. 8%) 、「安心のためにも 薬を必ず処方してもらえる」185( 31. 6%) 、269( 34. 0%) であり、「勤務先からの近さ」を除く項目 で男性よりも女性が多く選択していました( 図 1- 2) 。
46.9%
13.1%
69.3%
50.9%
26.5%
40.8%
55.2%
31.6% 62.2%
14.3%
79.1%
58.1%
35.4%
46.0%
60.8%
34.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
男性 女性
図 2 かかりつけ医を選ぶ上で重要なこと(重要と回答した割合)( 2)
図 1 かかりつけ医を選ぶ上で重要なこと(重要と回答した割合)( 1)
60.0%
19.0%
74.1%
68.9% 74.6%
45.8%
66.1%
35.6% 68.0%
19.8%
83.3%
78.8% 85.8%
53.2%
71.7%
38.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
男性 女性
- 49 -
⑦ 「在宅医療」について、男性と女性はそれぞれ、「よく知っている」121( 20. 0%) 、247( 29. 4%) 、
「少し知っている(聞いたことがある)」394( 65. 0%) 、504( 60. 1%) 、「知らない」91( 15. 0%) 、 88( 10. 5%) と、男性が女性よりも認知度が有意に低い結果となりました( 図 3) 。
⑧ 在宅医療・介護を受けることについてのイメージを「とてもそう思う、やや思う、あまり思 わない、思わない」の 4 選択肢で回答してもらいました。「とてもそう思う」は、男性と女性 でそれぞれ、「在宅でどのような医療を受けられるかわからない」159( 27. 6%) 、210( 25. 6%) 、
「在宅でどのような介護のサービス利用ができるのかわからない」175( 30. 4%) 、217( 27. 5%) 、
「急に病状が変わった時でも対応してもらえる」200( 34. 7%) 、283( 36. 4%) 、「訪問診療をして くれる医師を見つけるのは難しい」214( 37. 5%) 、262( 33. 5%) 、「訪問看護でどのようなことが し て も ら え る の か わ か ら な い 」 189( 32. 9%) 、 233( 29. 6%) 、 「 家 族 に 負 担 や 迷 惑 が か か る 」 233( 40. 9%) 、312( 40. 1%) 、「療養できる部屋や風呂・トイレなど住宅環境の整備が必要である」 321( 55. 3%) 、435( 54. 9%) 、「費用等の経済的負担が大きくなる」332( 57. 3%) 、431( 54. 4%) 、「が ん 末 期 で も 痛 み な ど の 苦 痛 を 軽 減 し な が ら 在 宅 で 過 ご す こ と が で き る 」 163( 28. 4%) 、 228( 29. 0%) 、「在宅でも満足のいく最期が迎えられる」151( 26. 3%) 、231( 29. 3%) でした。在宅 医療・介護を、「費用等の経済的負担が大きくなる」、「家族に負担や迷惑がかかる」、「療 養できる部屋や風呂・トイレなど住宅環境の整備が必要である」と否定的にとらえている人が 多いことが示唆されました。
121 247
394 504
91
88
0% 50% 100%
男性 女性
よく知っている 少し知っている 知らない
図 3 在宅医療の認知
P<0.001
- 50 -
⑨ 要介護状態などで長期の療養が必要になった時、主にどこで過ごしたいかについては、男性 と 女 性 は そ れ ぞ れ 、 自 宅 202( 33. 4%) 、 245( 29. 4%) 、 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム な ど の 介 護 施 設 229( 37. 9%) 、360( 43. 3%) 、病院 162( 26. 8%) 、199( 23. 9%) 、その他 12( 2. 0%) 、28( 3. 4%) と、男性 で自宅が多く、女性では介護施設が多い結果となりました( 図 4) 。
⑩ 家族が、要介護状態などで介護が必要な状態になった時、主にどこで過ごしてもらいたいか については、男性と女性はそれぞれ、自宅 166( 28. 6%) 、265( 33. 6%) 、特別養護老人ホームなど の介護施設 268( 47. 2%) 、332( 42. 1%) 、病院 136( 23. 4%) 、163( 20. 7%) 、その他 10( 1. 7%) 、28( 3. 6%) と、男性も女性も介護施設が多い結果となりました( 図 5) 。
⑪ 自分と家族を比較すると、男性は自分は自宅を望むが、自分が介護に係わらないことを前提 に家族は介護施設を望んでいることが示唆されました。一方、女性は、自分は家族の介護負担 を考えて介護施設を望む割合が高く、家族はなるべく自宅で看たいとの傾向が示唆されました。
202 245
229 360
162 199
12 28
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
自宅 介護施設 病院 その他
図 4 要介護状態になった時の療養場所
P=0.050
166 265
268 332
136 163
10 28
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
自宅 介護施設 病院 その他
P=0.028
図 5 家族が要介護状態になった時の療養場所
- 51 -
⑫ か か り つ け 薬 局 に つ い て は 、 男 性 と 女 性 は そ れ ぞ れ 、 「 か か り つ け 薬 局 を も っ て い る 」 164( 27. 2%) 、285( 34. 4%) 、「かかりつけ薬局といえる薬局はないが、いつも調剤してもらう薬 局 はほぼ 決まって いる」229( 38. 0%) 、343( 41. 4%) 、 「その ような薬 局はない 」210( 34. 8%) 、 201( 24. 2%) と、男性は女性よりもかかりつけ薬局を利用している率が有意に低い結果となりま した( 図 6) 。
⑬ 「お薬手帳」は、男性と女性でそれぞれ、「利用している」367( 60. 5%) 、641( 76. 8%) 、「知 っている(利用したことがないが知っている)」201( 33. 1%) 、184( 22. 0%) 、「知らない」39( 6. 4%) 、 10( 1. 2%) と、男性は女性よりもお薬手帳を利用している率が有意に低い結果となりました( 図 7) 。
164 285
229 343
210 201
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
もっている 利用は決まっている ない
P<0.001
図 6 かかりつけ薬局
367 641
201 184
39 10
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
利用 未利用 知らない
P<0.001
図 7 お薬手帳
- 52 - 267
295
22 32
164 186
139 306
18 15
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
自宅 介護施設 病院 緩和ケア病棟 その他
⑭ 薬局を選ぶ上で重要なことを「重要、やや重要、あまり重要ではない、全く重要ではない」 の 4 選択肢で回答してもらいました。重要なことの割合は男性と女性でそれぞれ、「自宅から 近い」235( 42. 8%) 、368( 49. 2%) 、「かかっている医療機関(病院・診療所等)に近い」314( 56. 1%) 、 512( 66. 6%) 、「通院できる状態のときにかかりつけていた薬局」182( 33. 6%) 、303( 42. 1%) 、「薬
(注射薬含む)を自宅等に配達してくれる」87( 16. 4%) 、154( 21. 4%) 、「薬の飲み忘れや飲み過 ぎ防止等服薬管理をしてくれる」109( 20. 4%) 、180( 24. 6%) 、「日曜日や祝日も対応してくれる 」 159( 29. 7%) 、202( 27. 9%) 、「夜間でも対応してくれる 」149( 27. 3%) 、186( 25. 7%) であり、「か かっている医療機関(病院・診療所等)に近い」「自宅から近い」の地理的な利便性が優先さ れていました。利用時間の自由さも選択に考慮されていましたが、服薬管理についてはまだ選 択の優先度は高くありませんでした。
⑮ 終末期医療については、がんなどの病気で人生の最後を迎えるときが来た場合、最後はどこ で過ごしたいかは、男性と女性はそれぞれ、自宅 267( 43. 8%) 、295( 35. 4%) 、特別養護老人ホー ムなどの介護施設 22( 3. 6%) 、32( 3. 8%) 、病院 164( 26. 9%) 、186( 22. 3%) 、緩和ケア病棟 139( 22. 8%) 、 306( 36. 7%) 、その他 18( 3. 0%) 、15( 1. 8%) と、男性は自宅が、女性は緩和ケア病棟が多くなって います( 図 8) 。
P<0.001
図 8 がんなどの病気で人生の最期を迎える時の場所
- 53 -
⑯ 自分が治る見込みがなく人生の最後が迫っていると告げられた場合、延命治療を望むかにつ いては、男性と女性はそれぞれ、「望む」28( 4. 6%) 、33( 3. 9%) 、「どちらかというと望まない」 141( 23. 2%) 、180( 21. 5%) 、「望まない」333( 54. 8%) 、483( 57. 6%) 、「わからない(どちらとも いえない)」106( 17. 4%) 、142( 16. 9%) で有意な男女差を認められませんでした。半数以上が延 命治療を望まないと回答していましたが、わからないも 2 割近くを占めていました( 図 9) 。
⑰ 意思を確認できなくなった場合に備えて、延命治療等への希望をあらかじめ記載した書面
(事前要望書、リビング・ウィルなど)を作成したいかについては、男性と女性はそれぞれ、
「すでに作成している」3( 0. 5%) 、8( 1. 0%) 、「作成したい」293( 48. 6%) 、456( 55. 5%) 、「作成 したいと思わない」107( 17. 7%) 、86( 10. 5%) 、「どちらともいえない」200( 33. 2%) 、271( 33. 0%) と、男性は女性より作成したいが少なく、作成したくないが多くありました( 図 10) 。
28 33
141 180
333 483
106 142
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
望む どちらかというと望まない 望まない わからない
図 9 延命治療
P<0.001
3 8
293 456
107 86
200 271
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
作成ずみ 作成したい 作成したくない どちらとも
図 10 事前要望書、リビング・ウィルなどの作成
P<0.001
- 54 -
⑱ 老衰や後遺症等で通院が困難になった場合も病院に入院せず、自宅で療養を継続できる体制 を社会全体で進めていくべきだと思うかについては、男性と女性はそれぞれ、「とても思う」 186( 30. 8%) 、257( 31. 1%) 、「やや思う」256( 42. 5%) 、341( 41. 2%) 、「あまり思わない」133( 22. 1%) 、 193( 23. 3%) 、「まったく思わない」28( 4. 6%) 、36( 4. 4%) と性差は認められませんでした( 図 11) 。
⑲ 出雲休日・夜間診療所については、性別では男性と女性はそれぞれ、「利用したことがある」 177( 29. 1%) 、285( 34. 1%) 、「知っている(利用したことがないが知っている)」366( 60. 1%) 、 486( 58. 1%) 、「知らない」66( 10. 8%) 、65( 7. 8%) と、9 割の人が知っていましたが、男性は女性 より有意に認知、利用が少ないという結果となりました( 図 12) 。
186 257
256 341
133 193
28 36
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
とても思う やや思う あまり思わない 全く思わない
図 11 自宅で療養を継続できる体制の推進
P=0.930
177 285
366 486
66 65
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
利用 知っている 知らない
図 12 休日・夜間診療所の利用と認知
P=0.036
- 55 -
⑳ 夜間や休日に体調不良(医療機関での受診が必要だと思うが、何とか自力で医療機関に行け る程度)となった場合の対応については、男性と女性はそれぞれ、「自分の知っている夜間や 休日に対応可能な医療機関を受診する」192( 32. 1%) 、229( 27. 7%) 、「かかりつけ医に問い合わ せて相談する」78( 12. 9%) 、102( 12. 3%) 、「知人等に聞いて受診できそうな医療機関に行く」 8( 1. 3%) 、20( 2. 4%) 、「出雲市内のそれぞれの救急病院の案内に聞いて医療機関に行く」35( 5. 8%) 、 59( 7. 1%) 、「とりあえず県立中央病院や島根大学附属病院等の救急外来に行く」250( 41. 3%) 、 353( 42. 6%) 、「救急車をよぶ」33( 5. 5%) 、39( 4. 7%) 、「その他」7( 1. 2%) 、26( 3. 1%) で、「とり あえず県立中央病院や島根大学附属病院等の救急外来に行く」が最も多く、次いで「自分の知 っている夜間や休日に対応可能な医療機関を受診する」であり、有意な性差はありませんでし た。
島根県小児救急電話相談「#8000」については、男性と女性はそれぞれ、「利用したことがあ る」16( 2. 6%) 、28( 3. 4%) 、「知っている(利用したことがないが知っている)」101( 16. 7%) 、 215( 26. 1%) 、「知らない」489( 80. 7%) 、582( 70. 5%) と、2割の人しか利用・認知しておらず、 男性は女性より有意に認知、利用が少なくなっています。
出雲市における医療・介護の環境に対するあなたの評価について、「とても当てはまる、や や当てはまる。あまり当てはまらない、まったく当てはまらない」の 4 選択肢で回答してもら いました。在宅医療の充実については、男性と女性でそれぞれ、「とても当てはまる」「やや 当てはまる」235( 43. 8%) 、311( 43. 2%) 、地域で介護サービスが受けられる体制整備 282( 52. 2%) 、 410( 56. 0%) 、 医 療 に 対 す る 情 報 の 十 分 な 提 供 289( 48. 5%) 、 340( 46. 4%) 、 救 急 医 療 の 充 実 394( 71. 1%) 、504( 68. 4%) で、救急医療が最も評価され、次いで介護サービス、医療情報、在宅 医療の順でありました。介護サービスの充実では、女性が男性より優位に高く評価していまし たが、他の分野に有意な性差を認めませんでした( 図 13∼16) 。
27 31
208 280
267 373
34 31
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 13 出雲市の在宅医療の充実
P=0.280
- 56 - 36
58
246 352
215 290
44 27
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
40 43
249 297
223 359
31 34
0% 20% 40% 60% 80% 100% 男性
女性
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
117 121
277 383
139 208
21 25
0% 20% 40% 60% 80% 100%
男性 女性
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 14 出雲市の地域での介護サービスの充実
P=0.007
図 15 出雲市の医療情報の充実
P=0.486
図 16 出雲市の救急医療の充実
P=0.149
- 57 -
2 年代別による分析結果
年代別では、便宜上 20 歳代と 30 歳代、40 歳代と 50 歳代、60 歳以上の3つの階層に分類して、グ ラフ化し、分析しています。
① 医療機関の受診状況では、20 歳代 18( 20. 9%) 、30 歳代 45( 26. 8%) 、40 歳代 60( 28. 3%) 、50 歳代 104( 43. 7%) 、 60 歳代 244( 65. 2%) 、70 歳代 210( 78. 7%) 、80 歳代 159( 90. 3%) と加齢とともに有意に増加しました( 図 17) 。
② 現在、主に受診(通院・入院)している所は、開業医が 20 歳代 11( 57. 9%) 、30 歳代 25( 53. 2%) 、40 歳代 42( 65. 6%) 、50 歳代 71( 67. 6%) 、60 歳代 178( 71. 5%) 、70 歳代 147( 69. 0%) 、80 歳代 110( 66. 7%) と 60 歳 代をピークに開業医の割合が加齢とともに増加しますが、70∼80 歳代では病院の割合が 60 歳より減少しま した。20∼50 歳代は、高年齢者よりも病院指向が高くなっています。高齢者ほど複数の疾病や重度の疾 病を有するために、病院の選択が 70 歳代以降で増加したものと考えます。
63 164
613
191 286
204
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
受診入院 なし
図 17 医療機関に現在受診(通院・入院)
P<0.001
36 113
435
30 56
185 6
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
開業医 病院 自宅 その他
図 18 受診機関
P=0.142
- 58 -
③ かかりつけ医について、体調不調などでまずかかる医療機関は、開業医は 20 歳代 79( 91. 9%) 、30 歳 代 157( 92. 9%) 、40 歳代 189( 89. 2%) 、50 歳代 217( 90. 4%) 、60 歳代 316( 82. 9%) 、70 歳代 215( 78. 8%) 、80 歳代 133( 72. 7%) と加齢とともに有意に減少し、病院が有意に増加しました( 図 19) 。
④ 健康状態や病気のことで相談でき、決まって診察を受けるかかりつけ医については、かかりつけ 医がいるは 20 歳代 19( 22. 1%) 、30 歳代 49( 29. 2%) 、40 歳代 61( 29. 0%) 、50 歳代 87( 36. 3%) 、60 歳代 207( 54. 3%) 、70 歳代 186( 68. 1%) 、80 歳代 142( 77. 6%) と加齢とともに有意に増加しました( 図 20) 。
⑤ かかりつけ医の必要性については、かかりつけ医がぜひ必要は 20 歳代 36( 42. 4%) 、30 歳代 74( 44. 3%) 、40 歳代 100( 47. 2%) 、50 歳代 148( 62. 4%) 、60 歳代 260( 69. 0%) 、70 歳代 219( 82. 6%) 、80 歳代 157( 88. 7%) と加齢とともに有意に増加しました( 図 21) 。
236 406 664
11 23 94
6 18 59
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
開業医 中病・医大 その他
図 19 最初の受診機関
P=0.035
68 148
535
146 230
239
39 72
48
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
いる いつもの機関 なし
図 20 かかりつけ医の有無
P<0.001
110 248
636
116 170
155
22 25
27
4 6 2
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
ぜひ必要 やや必要 あまりなし なし
図 21 かかりつけ医の必要性
P<0.001
- 59 -
⑥ かかりつけ医を選ぶ上で重要なことを「重要、やや重要、あまり重要ではない、全く重要ではな い」の 4 選択肢で回答してもらいました。全年齢で「病気や治療についてよく説明してもらえ る」、「どんな病気のことでもまずは相談に乗ってもらえる」、「あなたの治療の意向や心情、価値観 に配慮してもらえる」を重要と考える割合は変わりませんでしたが、若年層は「医師の診療技術や 経験等が信頼できる」を重要と考え、高年齢層は「自宅から近い」、「あなたの病歴や健康状態など をよく知っている」、「必要な時にはいつでも病院へ紹介してもらえる」、「外来に通えなくなった場 合も定期的に医師が自宅に来て診察してもらえる」、「治療中の病状が急に悪化した時、時間外でも 電話等で相談に応じてもらえ、必要なら往診してもらえる」、「安心のためにも薬を必ず処方しても らえる」を重要と考えています( 図 22,23)
55.1%
85.4%
74.0%
82.3%
61.7%
33.5% 62.4%
81.0% 76.9% 83.7%
69.5%
36.9%
68.4% 76.6% 73.6% 79.4% 71.6%
39.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
20∼39歳 40∼59歳 60歳∼
図 22 かかりつけ医を選ぶ上で重要なこと(重要と回答した割合)( 年齢別 1)
52.2%
8.3%
63.6%
48.6%
35.0%
25.2%
44.1%
22.8% 56.8%
7.4%
70.8%
51.2%
26.2% 36.6%
53.8%
22.2% 55.9%
20.3%
80.7%
59.1%
33.6%
55.7%
66.8%
43.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
20∼39歳 40∼59歳 60歳∼
図 23 かかりつけ医を選ぶ上で重要なこと(重要と回答した割合)( 年齢別 2)
- 60 -
⑦ 「在宅医療」について、高年齢層が若年層よりも認知度が有意に高かったですが、かかりつけ医 に比べて認知度は低い結果となりました( 図 24) 。
⑧ 在宅医療・介護を受けることについてのイメージを「とてもそう思う、やや思う、あまり思わ ない、思わない」の 4 選択肢で回答してもらいました。「急に病状が変わった時でも対応しても らえる」、「家族に負担や迷惑がかかる」で高年齢層が若年層よりもやや「とてもそう思う」の 回答率が高かったですが、他の項目では大きな差は認められませんでした。
⑨ 要介護状態などで長期の療養が必要になった時、主にどこで過ごしたいかについては、40∼59 歳 が他の年齢層よりも介護施設の割合が高い結果となりました( 図 25)
59 90
240
153 297
490
42 63
83
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
よく知っている 少し知っている 知らない
図 24 在宅医療の認知
P<0.001
98 109
261
85 190
344
59 127
193
11 20 11
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
自宅 介護施設 病院 その他
図 25 要介護状態になった時の療養場所
P<0.001
- 61 -
⑩ 家族が、要介護状態などで介護が必要な状態になった時、主にどこで過ごしてもらいたいかにつ いては、加齢とともにより介護施設の割合が高くなりました( 図 26) 。
⑪ かかりつけ薬局については、高年齢層は、若年層よりもかかりつけ薬局を利用している率が有意 に高い結果となりました( 図 27) 。
⑫ 「お薬手帳」は、高年齢層は、若年層よりもお薬手帳を利用している率が有意に高い結果とな りました( 図 28) 。
93 130
234
97 190
343
50 96
164
7 21 12
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
自宅 介護施設 病院 その他
図 26 家族が要介護状態になった時の療養場所
P=0.016
40 86
348
123 187
292
89 174
164
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
もっている 利用は決まっている ない
図 27 かかりつけ薬局
P<0.001
160 282
917
80 155
167
12 11 28
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
利用 未利用 知らない
図 28 お薬手帳
P<0.001
- 62 - 126
160 308
8 10
42
36 93
239
73 173
218
12 14 8
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
自宅 介護施設 病院 緩和ケア病棟 その他
9 18 35
62 115 163
111 237 509
72 81
110
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
望む どちらかというと望まない 望まない わからない
⑬ がんなどの病気で人生の最期を迎えるときが来た場合、最期はどこで過ごしたいかは、加齢とと もにより自宅が減少し、病院が増加しています( 図 29) 。
⑭ 自分が治る見込みがなく人生の最期が迫っていると告げられた場合、延命治療を望むかについて は、加齢とともに延命治療を望まないが増加し、わからないが減少しています( 図 30) 。
⑮ 意思を確認できなくなった場合に備えて、延命治療等への希望をあらかじめ記載した書面(事前 要望書、リビング・ウィルなど)を作成したいかについては、作成ずみは加齢とともに増加しまし たが、作成したいが減少し、作成したくないが増加しています( 図 31) 。
図 29 がんなどの病気で人生の最期を迎える時の場所
P<0.001
図 30 延命治療
P<0.001
11
140 258 381
26 46 132
89 144 269
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
作成ずみ 作成したい 作成したくない どちらとも
図 31 事前要望書、リビング・ウィルなどの作成
P<0.001
- 63 -
⑯ 老衰や後遺症等で通院が困難になった場合も病院に入院せず、自宅で療養を継続できる体制を社 会全体で進めていくべきだと思うかについては、年代別で有意な差は認められませんでした。8 割 近くの人が自宅で療養を継続できる体制を社会全体で進めていくべきだと思うと回答がありました ( 図 32) 。
⑰ 出雲休日・夜間診療所については、60 歳以上で有意に利用が少なく、知っている割合が高い結 果となりました( 図 33) 。
⑱ 夜間や休日に体調不良(医療機関での受診が必要だと思うが、何とか自力で医療機関に行ける 程度)となった場合の対応については、「とりあえず県立中央病院や島根大学附属病院等の救急 外来に行く」がいずれの年齢層でも高く、年代による差はありませんでした。次いで多い「自分 の知っている夜間や休日に対応可能な医療機関を受診する」は加齢とともに減少し、「かかりつ け医に問い合わせて相談する」が加齢とともに増加しました。「救急車をよぶ」は 60 歳以上で多 く、59 歳までは少ない結果となりました( 図 34) 。
87 114
265
107 201
320
53 113
176
7 20 42
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
とても思う やや思う あまり思わない 全く思わない
図 32 自宅で療養を継続できる体制の推進
P=0.051
98 211 183
125 202 565
32 38 86
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
利用したことがある 知っている 知らない
図 33 休日・夜間診療所の利用と認知
P<0.001
- 64 - 113
165 157
13 23
159
10 8
11
11 41
53
69 200 333
2 1 76
8 10 15
0% 20% 40% 60% 80% 100%
20∼39歳 40∼59歳 60歳以上
既知の医療機関受診 かかりつけ医に相談 知人に聞いて受診 救急病院案内
中病・大学救急外来 救急車 その他
⑲ 島根県小児救急電話相談「#8000」については、年代別では 20∼39 歳で有意に利用が多くなっ ています。
⑳ 出雲市における医療・介護の環境に対するあなたの評価について、「とても当てはまる、やや当 てはまる。あまり当てはまらない、まったく当てはまらない」の 4 選択肢で回答してもらいまし た。高年齢層がすべての分野で、若年層より有意に高く評価していました( 図 35- 38)
図 34 夜間や休日に体調不良となった場合の対応
P<0.001
6 10
39
83 143
288
138 228
304
16 24 26
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 35 出雲市の在宅医療の充実
P<0.001
13 16
68
116 181
344
102 183
232
12 25 35
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 36 出雲市の地域での介護サービスの充実
- 65 - 10
14 62
87 156
301
134 220
282
13 26 62
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 37 出雲市の医療情報の充実
P<0.001
35 65
153
109 215
363
83 125
155
17 16 14
0% 20% 40% 60% 80% 100% 20∼39歳
40∼59歳 60歳以上
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 38 出雲市の救急医療の充実
P<0.001
- 66 - 232
610
157 524
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
受診入院 なし
3 条件不利地域による分析結果
条件不利地域を中山間地域(海岸部・山間部)等で訪問診療・看護の提供体制が不十分な地域(出雲地 域では上津、稗原、朝山、乙立の各コミュニティセンター単位、平田地域では、西田、鰐淵、久多美、桧 山、東、北浜、佐香、伊野の各コミュニティセンター単位、佐田地域、多伎地域、湖陵地域の全域、大社 地域では日御碕、鵜鷺、斐川地域では荘原、阿宮、出西)と設定し、397( 25. 6%) が該当しました。条件不 利地域では、男性 170( 45. 5%) 、女性 204( 54. 5%) 、その他の地域では男性 446( 40. 9%) 、女性 644( 59. 1%) で、 有意差はありませんでした。年代別では、60 歳以上が条件不利地域 60. 1%、その他の地域 52. 3%と有意な差 を認めました( 図 39) 。
(1)医療機関の受診状況
① 医療機関の受診状況で、現在受診(通院・入院)しているのは、受診 232( 59. 6%) 、受診なし 157( 40. 4%) 、その他の地域は受診 610( 53. 1%) 、受診なし 524( 46. 9%) と、条件不利地域では高齢 者が多いためにやや受診の割合が多かったですが、その他の地域との有意差を認められません でした( 図 40) 。
51 201
101 330
221 555
0% 20% 40% 60% 80% 100%
条件不利地域 その他
図39 条件不利地域の年代別分布
20∼39歳 40∼59歳 60歳∼
P=0.018
図 40 医療機関に現在受診(通院・入院)
P=0.051
- 67 -
② 現在、主に受診(通院・入院)している所は、開業医 148( 61. 9%) 、病院 87( 36. 4%) 、自宅等
(訪問診療など)4( 1. 7%) 、その他 0、その他の地域は開業医 436( 69. 9%) 、病院 185( 29. 6%) 、 自宅等(訪問診療など)2( 0. 3%) 、その他 1( 0. 2%) と、条件不利地域はその他の地域より有意に 開業医の割合が低く、病院の割合が高くなっています。この傾向は、高年齢ほど顕著でした( 図 41) 。
③ 体調不調などでまずかかる医療機関は、開業医が 323( 83. 0%) 、島根大学附属病院・島根県立 中央病院 35( 9. 0%) 、それ以外の病院 31( 8. 0%) 、その他の地域は開業医が 983( 87. 1%) 、島根大学 附属病院・島根県立中央病院 94( 8. 3%) 、それ以外の病院 52( 4. 6%) と、条件不利地域では高齢者 が多いために、その他の地域に比べて開業医がやや少なく、病院がやや多い結果でしたが、有 意ではありませんでした。( 図 42) 。
148 436
87 185
4 2
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
開業医 病院 自宅 その他
図 41 受診機関
P=0.029
323 983
35 94
31 52
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
開業医 中病・医大 その他
P=0.142
図 42 最初の受診機関
- 68 -
④ 健康状態や病気のことで相談でき、決まって診察を受けるかかりつけ医については、条件不 利地域とその他の地域ではそれぞれ、かかりつけ医がいる 195( 50. 1%) 、559( 49. 0%) 、かかりつけ 医 と い え る 医 師 は い な い が 、 い つ も 受 診 す る 医 療 機 関 は ほ ぼ 決 ま っ て い る 155( 39. 6%) 、 459( 40. 5%) 、そのような医師・医療機関はない 40( 10. 3%) 、119( 10. 4%) で、両地域で有意差は ありませんでした( 図 43) 。
⑤ かかりつけ医の必要性については、条件不利地域とその他の地域ではそれぞれ、ぜひ必要 264( 67. 7%) 、733( 64. 7%) 、やや必要 102( 26. 2%) 、338( 29. 8%) 、あまり必要ではない 22( 5. 6%) 、 52( 4. 6%) 、必要ない 2( 0. 5%) 、10( 0. 9%) で、両地域で有意差はありませんでした( 図 44) 。
195 559
155 459
40 119
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
いる いつもの機関 なし
図 43 かかりつけ医の有無
P=0.754
264 733
102 338
22 52
2 10
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし 必要なし
図 44 かかりつけ医の必要性
P=0.404
- 69 - 269 55
15
9 13
55 79
469
134
15
24 29
75 145 46
39 4 5 4 15 23
0% 20% 40% 60% 80% 100%
出雲 平田 佐田 多伎 湖陵 大社 斐川
利用 知っている 知らない
⑥ かかりつけ医を選ぶ上で重要なことを「重要、やや重要、あまり重要ではない、全く重要で はない」の 4 選択肢で回答してもらいました。条件不利地域とその他の地域では、重要と考える項 目で有意な差はありませんでした。
⑦ 現在、医療機関に受診入院しているか否かと出雲休日・夜間診療所の利用・認知の関係は、 条件不利地域とその他の地域ではそれぞれ、利用 110( 28. 3%) 、385( 34. 0%) 、知っている 232( 59. 6%) 、 659( 58. 2%) 、知らない 47( 12. 1%) 、89( 7. 9%) で、条件不利地域がその他の地域より有意に利用・認 知が少ない結果となりました( 図 45) 。
⑧ 地域別では、佐田、大社の利用が多く、平田、多伎、湖陵の利用が少ない結果となりました ( 図 46) 。また日常診療の医療機関別では有意な差を認められませんでした。
110 385
232 659
47 89
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
利用 知っている 知らない
図 45 休日・夜間診療所の利用と認知
P=0.012
図 46 休日・夜間診療所の地域別利用・認知
P<0.001
- 70 -
⑨ 夜間や休日に体調不良(医療機関での受診が必要だと思うが、何とか自力で医療機関に行け る程度)となった場合の対応については、条件不利地域はその他の地域と比較して、「とりあ えず県立中央病院や島根大学附属病院等の救急外来に行く」と「自分の知っている夜間や休日 に対応可能な医療機関を受診する」が少なく、「かかりつけ医に問い合わせて相談する」と「救 急車をよぶ」が多くなっています( 図 47) 。
⑩ 出雲市における医療・介護の環境に対するあなたの評価について、「とても当てはまる、や や当てはまる。あまり当てはまらない、まったく当てはまらない」の 4 選択肢で回答してもら いました。救急医療が最も評価され、次いで介護サービス、医療情報、在宅医療の順でありま した(図 48∼51)。条件不利地域はその他の地域より、救急医療の充実についての評価が有意 に低い結果となりました( 図 51) 。
105 330
68 127
7 22
32 74
138 494
30 49
5 28
0% 20% 40% 60% 80% 100%
条件不利地域 その他
既知の医療機関受診 かかりつけ医に相談 知人に聞いて受診 救急病院案内
中病・大学救急外来 救急車 その他
図 47 夜間や休日に体調不良となった場合の対応( 条件不利地域)
P=0.001
11 45
132 384
176 495
21 45
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 48 出雲市の在宅医療の充実
P=0.493
- 71 - 29
70
149 480
146 385
18 54
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 49 出雲市の地域での介護サービスの充実
P=0.405
18 70
135 411
169 467
18 49
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 50 出雲市の医療情報の充実
P=0.614
56 198
175 514
100 263
12 35
0% 20% 40% 60% 80% 100% 条件不利地域
その他
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない P=0.001
図 51 出雲市の救急医療の充実
- 72 - 63
191
164
286
613
204
0% 20% 40% 60% 80% 100%
受診入院 なし
20∼39歳 40∼59歳 60歳以上
ぜひ必要 65% やや必要
29%
あまり必要なし 5%
必要なし 1%
4 「かかり つけ医」 の必要性を考える背景と その行動や意識への影響のまと め
市民が「かかりつけ医(ホームドクター)」の必要性を考える背景とその行動や意識への影響について解 析しました。なお、統計学的に有意な要因のみを報告では用いています。
① 高齢になるほど「受診入院」が増加し、70 歳代 79%、80 歳代 90%でした( 図 52) 。
② 現在、「受診入院」をしている人ほど「かかりつけ医が必要」と回答していました( 図 53) 。
③ かかりつけ医が「ぜひ必要」65%、「やや必要」29%と、93%の市民が必要と考えていました( 図 54) 。
図 52 高齢者の多くが、現在、受診(通院・入院)している。
632 361
177 262
27 47
0 13
0% 20% 40% 60% 80% 100%
受診入院 なし
ぜひ必要 やや必要 あまりなし なし
図 53 現在受診入院者は、かかりつけ医を必要と考える人が多い。
図 54 94% の市民が、かかりつけ医を必要と考えている。
- 73 - 64%
20%
80% 75% 81% 69%
37% 56%
14% 75%
55%
32% 44%
59%
34%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
455 117 10
186 65 17
5 1
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
開業医 病院 自宅 その他
④ かかりつけ医を選ぶ上で重要なことと考えている割合が最も高いのは、「病気や治療について よく説明してもらえる」で、次いで「医師の診療技術や経験等が信頼できる」、「どんな病気の ことでもまずは相談にのってもらえる」、「必要な時にはいつでも病院へ紹介してもらえる」、
「あなたの病歴や健康状態などをよく知っている」、「自宅から近い」でした。「医師と普段か ら繋がりがある」、「勤務先から近い」、「知人・友人などの評判が高い」、「安心のためにも 薬を必ず処方してもらえる」、「あなたのご家族の病歴や健康状態などをよく知っている」は、 かかりつけ医の選択の際に重視されていませんでした( 図 55) 。
⑤ 「かかりつけ医の必要」別の受診機関では、開業医の割合が「ぜひ必要」70%、「やや必要」34%、
「あまり必要なし・必要なし」37%と、必要と考える人ほど開業医の割合が高くなっています( 図 56) 。
図 55 かかりつけ医を選ぶ上で重要なこと(重要と回答した割合)
図 56 かかりつけ医を必要と考えている人は、多くが開業医で診療を受けている。
- 74 -
⑥ 「かかりつけ医の必要」別の体調不良の時の受診機関でも、開業医の割合が「ぜひ必要」87%、「や や必要」86%、「あまり必要なし・必要なし」74%と、必要と考える人ほど開業医の割合が高くなってい ます( 図 57) 。
⑦ 「在宅医療」に対する市民の認知度については、「よく知っている」26%、「少し知っている(聞 いたことがある)」62%、「知らない」12%でしたが、かかりつけ医を必要と考える人ほど認知度が 高くなっています( 図 58) 。
866 378 63
78 35 14
49 26 8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
開業医 中病・大学 その他
図 57 かかりつけ医を必要と考えている人は、体調不良の時に開業医に
かかる人が多い。
290 82 16
603 288 50
94 70 21
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
よく知っている 少し知っている 知らない
図 58 かかりつけ医を必要と考えている人は、在宅医療について
知っている人が多い。
- 75 -
⑧ 「お薬手帳」は市民の 70%が利用していたが、「かかりつけ医の必要」別の利用は、「ぜひ必要」 77%、「やや必要」59%、「あまり必要なし・必要なし」40%と、必要と考える人ほど開業医の割合が高 くなっています( 図 59) 。
⑨ 出雲市における医療・介護提供体制に対する評価については、在宅医療の充実は、「とても当 てはまる」「やや当てはまる」と回答した人が 43%、地域で介護サービスが受けられる体制整備 55%、医療に対する情報の十分な提供 47%、救急医療の充実 70%で、救急医療が最も評価され、次 いで介護サービス、医療情報、在宅医療の順でした。「かかりつけ医の必要」別の評価では、かかり つけ医を必要と考える人ほどすべての面で評価が高くなっています( 図 60- 63) 。
758 256 35
200 155
43
21 22 9
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
利用 未利用 知らない
図 59 かかりつけ医を必要と考えている人は、お薬手帳を
利用している人が多い。
43 8
3
366 134 15
391 223 47
37 24
5
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 60 かかりつけ医を必要と考えている人は、出雲市の在宅医療を
充実していると考える人が多い。
- 76 - 70
19 6
430 176 22
315 174 35
39 24 8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 61 かかりつけ医を必要と考えている人は、出雲市の介護サービスを
充実していると考える人が多い。
64 16
4
366 157 20
383 207 41
40 18 8
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 62 かかりつけ医を必要と考えている人は、出雲市の医療サービス情報を
充実していると考える人が多い。
184 58 8
457 200 28
199 131 30
26 13 7
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ぜひ必要 やや必要 あまり必要なし
・必要なし
とても当てはまる やや当てはまる あまり当てはまらない 当てはまらない
図 63 かかりつけ医を必要と考えている人は、出雲市の救急医療を
充実していると考える人が多い。
- 77 -
以上のように、市民が「かかりつけ医(ホームドクター)の必要」を考える背景としては高齢による 医療機関の受診や入院の経験が深く関係していました。かかりつけ医を選ぶ上で重要なことと考えてい る割合が最も高いのは、「病気や治療についてよく説明してもらえる」であり、次いで「医師の診 療技術や経験等が信頼できる」、「どんな病気のことでもまずは相談に乗ってもらえる」、「必要 な時にはいつでも病院へ紹介してもらえる」、「あなたの病歴や健康状態などをよく知っている」、
「自宅から近い」でした。かかりつけ医を必要と考える人の行動面では、体調不良時に医療機関の中で 開業医を利用することが多く、お薬手帳をよく活用していました。また、かかりつけ医を必要と考える人 は、在宅医療をよく知っており、出雲市における医療・介護提供体制を高く評価していました( 図 64) 。 このことから、市民へはかかりつけ医の必要性の周知、開業医には信頼に基づく説明・相談、適切な医療 機関の紹介を強めることの必要性が示唆されました。
図 64 在宅医療等に関する市民意識調査の概要
現在
受診
入院
高齢
開業医にかかる人が
多い(通常、体調不
良時)
お薬手帳活用
市民の 91%
が、かかり
つけ医必要
選ぶ上で重要なこと
・よく説明
・医師の技量経験への信頼
・相談しやすい
・必要な時、いつでも病院紹介
・自分の健康状態をよく知っている
在宅医療認知
図52
図53
図55
図56,57
図58
図59
出雲市の在宅医療・
介護サービス・医療
情報提供・救急医療
を高く評価
図60-63 図54
- 78 - かかりつけ医について
○ 「かかりつけ医がいる」は約 5 割、「受診する医療機関はほぼ決まっている」をあわせると、約 9 割。
○ 「ぜひ必要」「やや必要」をあわせ、9 割以上がかかりつけ医を必要と考えている。
○ かかりつけ医を選ぶ上で、「病気や治療についてよく説明してもらえる」「医師の診療技術や経験等が 信頼できる」「どんな病気でも相談に乗ってもらえる」「必要な時にはいつでも病院へ紹介してもらえ る」「あなたの病歴や健康状態などをよく知っている」といったこと等を重要視。
→ 病院と在宅をつなぐ医療連携に大きな役割を果たすかかりつけ医の存在は重要であると考えます。 そのかかりつけ医について、一定の理解が広がっているが、年代別では50歳代より下の世代で「かか りつけ医がいる」という割合が 60 歳以上に比べ低くなっています。一方で、かかりつけ医について、 性別、年代別、世帯別、生活圏域別を問わず、約 9 割以上が必要と回答しています。また、かかりつ け医を選ぶ上で、「病気や治療についてよく説明してもらえる」「医師の診療技術や経験等が信頼でき る」「どんな病気でも相談に乗ってもらえる」「必要な時にはいつでも病院へ紹介してもらえる」「あな たの病歴や健康状態などをよく知っている」という項目を重要視する結果となっています。
在宅医療・介護について
○ 在宅医療について、「よく知っている」は約 3 割、「少し知っている」をあわせると約 9 割。
○ 在宅医療・介護を受けることについては、「費用等の経済的負担が大きくなる」「療養できる部屋や風 呂・トイレなど住宅環境の整備が必要」「家族に負担や迷惑がかかる」というイメージを持っている。
→ 在宅医療について、男性よりも女性の方が「よく知っている」の割合が高いという結果となってい ます。また、全体では、「よく知っている」と「少し知っている」をあわせると約9割となり、一定の 理解がひろがっていると考えられます。しかし、在宅医療・介護に対するイメージにおいて「在宅で どのような医療をうけられるか分からない」「在宅でどのような介護のサービス利用ができるかわから ない」「訪問看護でどのようなことがしてもらえるのかがわからない」の項目で、「とても思う」、「や や思う」の回答が、約 8 割であることから、在宅医療・介護の内容について、市民に十分認識されて いないと推測されます。
自らが、または家族が、要介護状態などで長期療養が必要となった場合について
○ 要介護状態となった場合、主に過ごしたいのは、「自宅」よりも「介護施設」。
○ 自らの場合でも、家族の場合でも、要介護状態となった場合、主に「自宅」で過ごしたいは約 3 割、
「介護施設」は約 4 割、「病院」は約 2 割。
○ 「自宅」以外を選択する理由は、「家族に負担や迷惑がかかる」が最多。
第4 章 調査結果のま と め
- 79 -
→ 要介護状態などで長期療養が必要となった時、主にどこで過ごしたいかという問いに対して、自ら の場合も、家族の場合も全体としては、ほぼ同様の結果となっています。
男女別でみると、自らの場合、男性は女性よりも「自宅」、女性は男性よりも「介護施設」が高いと いう結果となり、家族の場合はその逆となりました。女性は家族の負担を考え、自分は介護施設を望 み、家族はなるべく自宅で看たいと考えていることが推測されます。また、「自宅」以外を選択する理 由は、どちらも「家族に負担や迷惑がかかる」が最多で、自らの場合は「仕事をやめないといけなく なる」、家族の場合は「急に病状が変わった時の対応が不安」が次に一番多い結果となっています。
かかりつけ薬局、お薬手帳、薬局の選択について
○ かかりつけ薬局について、「かかりつけ薬局を持っている」は約3 割、「いつも調剤してもらう薬局は ほぼ決まっている」をあわせると約 7 割。
○ お薬手帳について、「利用している」は約 7 割、「知っている」をあわせると約 9 割。
○ 薬局を選ぶ上で、「かかっている医療機関(病院・診療所)に近い」を最も重要視。
→ 「かかりつけ薬局をもっている」の割合は、60歳代以上で50歳代未満と比べ高い。20歳代から60 歳代では「かかりつけ薬局といえる薬局はないが、いつも調剤してもらう薬局はほぼ決まっている」 の割合が高く、また、50歳代のみ「そのような薬局はない」の割合が高いという結果となっています。 お薬手帳は、全ての年代において、「利用している」割合が6割を超える結果となっています。また、 薬局を選ぶ際には「かかっている医療機関(病院・診療所等)に近い」「自宅から近い」「通院できる 状態の時にかかりつけていた薬局」が「重要」「やや重要」の割合が高く、薬局自体の機能というより は、利便性を重視する結果となっています。
終末期医療について
○ 人生の最期を過ごしたい場所は「自宅」が最も多く約4割、「緩和ケア病棟」約 3 割、「病院で入院を 継続」約 2 割。
○ 男女別では、男性は「自宅」、女性は「緩和ケア病棟」を希望。
→ 全体では、「自宅」が最も多く、「緩和ケア病棟」「病院で入院を継続」「介護施設」と続きます。 自らが要介護状態となった場合にどこで過ごしたいですかの結果と比較すると、「自宅」が一番多く なり、その割合も増加しています。また、男女ともに「自宅」の割合が増加しますが、男女間の比較 では、男性は「自宅」を、女性は「自宅」以外(要介護時の介護施設、終末期の緩和ケア病棟)を希 望する結果となっています。
年齢別では、50 歳代、60 歳代で「自宅」よりも「緩和ケア病棟」を希望し、「病院で入院継続」の 割合は年代が上がるごとに増加する結果となっています。
- 80 -
延命治療、延命治療等の希望をあらかじめ記載する書面(リビングウィル等)の作成について
○ 「延命治療を望まない」は約 6 割、「どちらかと言うと望まない」を合わせると約 8 割。
○ 「リビングウィル等を作成したい」は約 5 割、「分からない(どちらともいえない)」が約 3 割
→ 性別、年代、世帯、生活圏域、全ての分類において、「延命治療を望まない」の割合が高く、年代が 上がるごとに増加する傾向にあり、わからない(どちらともいえない)は、年代が上がるごとに減少 する傾向という結果となっています。リビングウィルなどの作成については、年代別において20歳代
∼60歳代で「作成したい」が5割を超えており、80歳代のみ「どちらともいえない」が「作成したい」 を上回る結果となっています。
小児救急医療について
○ 出雲休日・夜間診療所を「利用したことがある」は約 3 割、「知っている」と合わせて約 9 割。
〇島根県小児救急電話相談事業(#8000)を「知らない」は約 7 割。
〇夜間・休日に体調不良となった場合(医療機関での受診が必要だと思うが、何とか自力で医療機関に 行ける程度)の対応は「とりあえず県立中央病院や島根大学付属病院等の救急外来に行く」が約4 割 で最多。
→ 出雲休日・夜間診療所は性別、年代、世帯、生活圏域の分類を問わず、「利用したことがある」また は「知っている」が最多となっています。その一方で、島根県小児救急電話相談事業(#8000)は性 別、年代、世帯、生活圏域の全ての分類において「知らない」の割合が高い結果となっています。ま た、夜間・休日に体調不良となった場合の対応は、「とりあえず県立中央病院や島根大学付属病院等の 救急外来に行く」の次に「自分の知っている夜間や休日に対応可能な医療機関を受診する」の割合が 高く、「かかりつけ医に問い合わせて相談する」は年代が進むごとに高くなる傾向となっています。こ れら、救急医療の対応は、出雲市における医療介護提供体制の評価(救急医療の充実)の結果につな がっていると推測されます。
出雲市における医療介護提供体制について
〇「在宅医療が充実している」「地域で介護サービスが受けられる体制が整っている」「医療(医療機関 のかかり方、救急医療の利用など)に対する情報が十分提供されている」は「とてもあてはまる」は 1 割未満、「やや当てはまる」をあわせても約 4 割から 5 割。
〇「救急医療が充実している」については、「とても当てはまる」約2 割、「やや当てはまる」をあわせ て約 7 割。
→ 出雲市は、全体として比較的医療・介護資源に恵まれている地域と言われていますが、救急医療 以外はあまりそのように思われていないという結果となっています。また、救急医療については、
- 81 -
出雲休日・夜間診療所の認知度が高いことや、県立中央病院、島根大学医学部付属病院等の救急外 来が充実していることから、比較的高い評価となったと推測されます。在宅医療の充実については、
「とてもあてはまる」「ややあてはまる」を合わせて約4割となっています。その一方で、別の問に おいて、自宅で療養を継続できる体制を社会全体で進めていくべきと約7割の方が考えており、ま た、自宅等で療養するにあたって必要な情報は「訪問診療・看護やヘルパーなど在宅ケアサービス について」「医療機関・医師の対応できる疾患・専門分野について」という結果となっています。こ れは在宅医療・介護を受けることについてどのようなイメージを持つかという問いにおいて、「とて も思う」、「やや思う」の回答が多かった「在宅でどのような医療をうけられるか分からない」「在宅 でどのような介護のサービス利用ができるかわからない」「訪問看護でどのようなことがしてもらえ るのかがわからない」と結びつく結果となっています。医療等の情報が市民に十分提供されていな いと考えられます。
- 82 -
∼おわりに∼
今回の在宅医療等に関する市民意識調査の結果から、市民には、在宅医療・介護サービスの内容に ついて十分に理解されていないことや、家族の介護力や経済的負担など、在宅での生活に不安を持つ 人が多いといった様々な課題があることが分かりました。
市としては、まず、医療・介護関係者間でアンケート結果から見えてきた課題を共有し、対応策を 検討していく必要があると考えています。そして、市民が、在宅でどのような医療や介護が受けられ るか、正しく理解してもらうこと、さらには、在宅医療・介護サービスが不十分な地域や、介護する 家族、独居等で介護をする人がいない高齢者等を支えていくための体制の構築が重要と考えています。
具体的には次の点が、今後重点的に取組むべき項目と考えています。
〇医療・介護関係者間での課題の共有と問題解決に向けた対応策の検討
・ 医療・介護機関や団体の代表者等で構成する、在宅医療・介護連携推進連絡会議において、ア ンケート調査結果から見えてきた課題の共有及び、問題解決に向けた対応策の検討。
・ アンケート結果の公表等、市民がかかりつけ医や薬局を選択するうえで重要と考えていること 等について関係機関、団体等への情報提供。
〇かかりつけ医や在宅医療・介護に関する普及啓発の強化
・ コミュニティセンターや町内会単位を基本として、直接市民と意見交換をおこなう在宅医療座 談会や講演会等の開催。
・ 事例検討会等の在宅医療・介護に関する研修を通じ、関係者間での情報共有、事例等への共通 認識の形成等「顔の見える関係」の強化。
・ 市民や関係者からの在宅医療・介護に関する相談等に対応できる体制の充実。
〇在宅医療・介護サービスの提供が不十分な地域における体制の構築
・ 市内北部の海岸部や南部の山間部等の条件不利地域を対象とした訪問診療・訪問看護確保対策 事業など、安心して在宅医療・介護サービスを受けることができる体制の構築。
〇在宅療養を地域の住民が相互で支え合う体制の整備
・ 高齢化に伴い、独居や高齢者の夫婦のみの世帯が増加し、支援を必要とする高齢者が増加する ことから、生活支援や介護予防サービスについて地域の住民相互による支えあいの体制作り。
以上のような項目を重点的に取り組むべき項目として、引き続き、関係のみなさまのご意見やご協 力をいただきながら、出雲市らしい地域包括ケアシステムの構築に向けたまちづくりを進めていきた いと考えています。